4月より開催しておりました、企画展『縄文土器入門~縄文土器の特色をさぐる』展示資料の人気投票イベント
『第2回長岡・縄文土器グランプリ』は、7月3日(日)をもちまして終了いたしました。
以下に、得票数の多い順に1位から8位までの縄文土器をご紹介します。
ご紹介した土器たちは、企画展『縄文土器入門』において、8月28日(日)までご覧いただけます。
多くのみなさまにご投票いただき、まことにありがとうございました。(有効票数1,986票)
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第1位 大木(だいぎ)8b式土器
(深鉢) 【 468票 】
縄文時代 中期中葉
長岡市 岩野原(いわのはら)遺跡
高さ 約 20 cm
第2回王者に輝いたのはこの土器!
小ぶりながら、大きな突起や器のくびれが眼をひきます。どこかユーモラスで愛嬌のある土器ですが、内側にはナベとして使われた際のオコゲがびっしり!こんなナベでつくった料理、食べてみたいですね。
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第2位 加曽利(かそり)B3式土器
(注口土器)【 416票 】
縄文時代 後期後葉
長岡市 岩野原(いわのはら)遺跡
高さ 約15 cm
第2位は、これまた小ぶりなこの土器です!思わず使ってみたくなるような実用性にひきつけられた方が多かったよう。表面には、縄文をつけて線をひき、不要な縄文を消すことで文様を浮かび上がらせる「磨消(すりけし)縄文」がみられます。
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第3位 大木8b式土器(深鉢)
【 318票 】
縄文時代 中期中葉
長岡市 中道(なかみち)遺跡
高さ 約 53 cm
1・2位とはうってかわって大柄なこの土器が堂々の第3位!表面のみならず突起にまで複雑なうずまきを施す、東北地方南部を中心につくられた「大木式土器」です。特に注目は一番上の突起部分。うずまきの下は中空になっており、粘土をしりつくした縄文人の技が光っています。
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第4位 台形(だいがた)土器
【 243票 】
縄文時代 中期
長岡市 岩野原(いわのはら)遺跡
高さ 約 10 cm
ご安心ください、これは土器です。平らな上面でなにか作業したのでは、といわれる「台形土器」。長岡市では昨年のエントリー資料と2点のみ出土し、謎めいた存在感で今年も上位にランクイン。中央は「目」ではなく「玉抱三叉文(たまだきさんさもん)」という文様です。
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第5位 大洞(おおぼら)A式土器
(台付浅鉢) 【 154票 】
縄文時代 晩期後葉
五泉市 矢津(やづ)遺跡
高さ 約10 cm
「クッキーのせて食べたい」「果物盛りたい」など、具体的な使用の構想で多くの方が盛りあがったこの土器、縄文人たちもおそらく盛り付けに使用したのではないでしょうか。浅鉢に脚がつく土器は、縄文時代後半に多くつくられました。
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第6位 三十稲場式土器(蓋)
【 145票 】
縄文時代 後期初頭
出雲崎町
矢郷橋(やごうばし)遺跡
高さ 約10 cm
ナベのフタとあなどるなかれ、今年もそのオシャレすぎる帽子のようなデザインで観客を魅了しました。全体に「刺突文(しとつもん)」とよばれる、棒で突き刺した水玉が散らされる三十稲場式土器の特徴をはっきりと見ることができます。
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第7位 下部単孔土器
【 138票 】
縄文時代 後期
長岡市 岩野原(いわのはら)遺跡
高さ 約19 cm
台形土器と肩をならべる謎の土器、下部単孔土器。気になる穴の存在は研究者をも惑わし続け、酒造・儀式・薬の容器など様々な意見が交わされています。当初の予想より票は獲得できませんでしたが、多くの方からご質問をいただいたのはこの土器でした。
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第8位 東北系土器(深鉢)
【 102票 】
縄文時代 中期中葉
長岡市 中道(なかみち)遺跡
高さ 約 30 cm
シンプルな見た目ゆえか、意外に票が伸びなかった土器の一つ。美しい器形は大人の感性を持つ方からの支持が高かったようです。華美な装飾はありませんが、東北南部の大木式に影響を受けた口縁部、胴体の縄文などに、さりげない「縄文土器の魅力」を感じる土器です。